インプラントとは

歯科で言うインプラントとは 人工歯根のことです。

人口歯根とは

人工物でできた(主にチタン合金)歯の根っこのことです。
無くなった歯のかわりに 人工の歯を顎の骨に植え付けて 自分の歯のように使うのです。

かつては人工サファイヤ、形状記憶合金型、種種多様な形態をした金属などを材料として 各メーカーより作られてきました。最近はよく似た形に落ち着いてきた模様です。チタンのネジのような形(直径数ミリから1センチちょっとまで)(長さ1センチ弱から2センチ前後まで)の物が多くなりました。

その人工歯根は顎の骨の中に手術して埋め込みます。局部麻酔をし、歯肉を切開剥離し、顎の骨に専用ドリルで所定の穴を開け埋入します。(抜歯後すぐ埋め込む方法もあります)数ヶ月後その根っこに咬む部分をつけます。(早期に咬む部分を装着する方法もあります)

成功すれば違和感もほとんど無く自分の歯のようにたいへんよく咬めるそうです。

院長インプラント歴

1982年頃歯内骨内インプラントの経験
1984年頃サファイヤインプラントの経験
1990年頃ITIインプラントの経験
2000年頃インプラントの手術を止める
現在に至る

インプラント手術時に気をつけること

1: 残っている自分の歯がきちんとしっかりかみ合って治療も終わり、歯周病の処置も終わっていること。
2: 全身疾患が無いこと。(充分コントロールされていること)
3: 植え込まれる顎の骨や歯肉ががしっかりしていること。
4: 埋め込む予定の骨の中に太い血管や神経が通っていないこと。
5: 自費診療のため高額な医療費がかかる。

などです。

埋め込まれる骨の量が少ないときには骨の量を増やす手術や処置を追加して行います。埋め込まれる周囲の歯肉が弱いときは歯肉の強化手術(移植手術)を行います。また、数十年たっていろいろな理由でインプラントの寿命が来た時、それを除去するための手術をうけなくてはなりません。

私も以前自分が患者様に埋入した(手術した)インプラントが10年経ち、15年経ったころからいろいろな不都合がでたのでそれを後日はずしたことがあります。その時は手の中はじっとりと汗をかいていたように記憶しています。簡単にはとれず、インプラントの周りの骨を一周削り落としてとりました。

幸い、行った手術の全てに 大出血を起こしたり、神経麻痺を起こしたり、骨折を起こしたりすることなく終わりました。

インプラントは資格が無くても行える?

インプラント手術は 歯科医であれば特に特別な資格無しにおこなえます。
(歯医者であれば誰がしてもよいということです…が……)
最近、歯医者は「インプラントをしよう!」と勉強していますし、何とかやってみたい(!?)と考えています

インプラントをできる人がえらくて、そうでない人はだめ、そんな雰囲気がただよい、無理してしまいそうです。
私もそうでした。

自分の歯がもし無くなりそのような状態になったとき、誰かにインプラント手術してもらうか?
私はたぶんインプラント手術はしてもらわないでしょう。
たとえそれでよく咬めるようになってもいやです。(怖がりなんです)

インプラントをした患者様がご高齢になり、高血圧、脳梗塞、その他全身疾患をわずらってしまったとき、そのインプラントを取り出すことは大変難しくなりそうです。幸い、今は私の診療所からほど遠くないところに 徳島大学歯学部があるのでそちらにご紹介させてもらえるのですが。

また、そこまで考えなくてもそれはその時??(いいのかなあ)

ということで、(私の勉強不足もあり)インプラントは積極的におすすめしないようになりました。
どうしてもという患者様にはご紹介させて頂くようにしています。

これから歯医者も 点滴、心電図、血圧モニター、蘇生セット、等をしっかりマスターし準備しなければいけません。
難しいインプラント手術時は整形外科の手術室みたいな無菌室も必要かもしれませんね・・・
医科の手術のように麻酔科のドクターと二人体制で 全身管理と手術の役割分担をして進めた方がより安全でしょう。

当院では血圧計、救急用酸素、パルスオキシメーター、AEDBLSヘルスケアプロバイダー資格取得)などの一般的な応急処置機器はありますが、点滴セット、心電図などは常備しておりません。

インプラント・・・お話だけでもしてみませんか?

インプラント訴訟

歯科界の恥ずかしい話ですがインプラント訴訟」で検索していただくと現状がよく分かると思います。