歯を磨いているのに…

よく「一日に何回も歯を磨いているのに 虫歯になったり歯周病が進んでくる。」とおっしゃる患者さんがいます。話を聞くと1日に3回以上磨き、1回の歯みがき時間は1-2分で、歯周病や虫歯予防に効くと宣伝されている歯みがきペーストを使い、また、CMでプラークが見事に落ちる映像を流しているちょっと高めの歯ブラシを使用されているみたいです。
そこで私たちはいつもの説明をします。

歯磨きの頻度と時間

1-2分の歯みがきではどうしてもみがき残しができてしまいます。その磨き残すところは 歯と歯の間、奥歯、歯ぐきの近くです。その部分は昨日もみがけていません。 一昨日もみがけてません。と言うことは1週間前も、1ヶ月前も、そうです1年前も、その前からずーーっと汚れたままです。
これでは病気になるのは当たり前です。

歯みがきでプラークを完全に落とそうとすれば10分や15分は私たち歯みがきのプロでもかかります。

1日1回でも良いですから時間をかけて徹底的にみがいてください。

1日ぐらい歯を磨かなくても虫歯になりませんし歯周病も進行しませんから。

歯ブラシについて

歯ブラシにはいろいろな形があります。(CMで記憶に残るもの)

毛先が丸い (丸い方がプラークをかき落としやすいので良い? 細部に入るのかなあ?)
毛先が細い (細部にまで毛先が入りきれいになる? 丸い方が良く落ちるのでは?)
毛先がギザギザ (歯の段差にフィットする? 半分ずれたらまったくフィットしないような・・)
2段植毛 (そのうち3段植毛4段植毛、・・・30段植毛?)
先が曲がっていて奥まで届きやすい (前は みがきやすいですか?)
イオンがプラークを溶かす (歯科論文で私は見たことがありませんが、勉強不足?)
ころころ歯ブラシ (ここまで来たか・・ 数千円??)
消しゴム付きブラシ (ここまで進化したよ? 歯ブラシ?)
ゴムの毛先?歯ブラシ
豚毛の歯ブラシ



いろいろと販売されてます。
当院でお奨めしているのは 普通のナイロンの毛が 普通にはえていて 普通のハンドル(持つところ)のブラシです。

歯磨き粉について

虫歯予防の薬が入っている
初期むし歯を治す?
歯周病予防の薬が入っている。
知覚過敏に効く。
歯ぐきの腫れに効く。
フッ素入り。
つぶ塩入り。
炭入り
歯を白くする。
輝く歯を取り戻す
・・・

値段も100円ぐらいから2000円ぐらいまでいろいろと販売されてます。

当院でお奨めしているのは 「何でもいいです」(お奨めにならない?)
フッ素が入っていると良いでしょう。

気を付けなければいけないのは、ペーストを付けすぎると弊害がたくさん出てきますので、あまり付けないことです。

量の目安は小豆1粒の大きさぐらい。多くてパチンコ玉1個。けっしてブラシの上を一面覆うように2センチも出してはだめですよ。(ましてや、往復べったり付けではみがけません)

電動歯ブラシについて

次によく質問されるのが電動歯ブラシ。良い道具です。しかし、魔法の道具ではありませんので上手に使ってください。

できれば手用歯ブラシで完全にみがけるようになったら、使い始めてください。手できれいにみがけないのに、電動(超音波)歯ブラシでも、やっぱりみがけないです。

歯磨き粉をたくさん付けてブンブンと歯の表面をみがくと どんどんと歯はすり減ってきます。歯ぐきの近くの歯の柔らかいところも削れてきます。

しかし、病気など手がご不自由で、なかなかブラッシングが十分できない患者さんが、少しでもきれいにするために使うことは大変有用で便利です。上手に電動歯ブラシをお使いください。

普通の歯ブラシの使い方、電動歯ブラシの使い方、お話しいたしますので聞いてくださいね。